「君のいた季節」
春原が芽衣が帰って寂しがっていると渚は朋也と寮に夕飯のおかずを差し入れに行くと美佐枝さんに文字通り振り回されていた。
彼女に懐いている猫を勝手に売り飛ばそうとすれば当然の報いですね。それに売りに行ったところで血統書の無い猫は買い取ってくれないでしょう。
智代によると美佐枝さんは全校生徒無遅刻無欠席ウィークを達成させた伝説の持ち主と言うことだが、でも渚のように休学していた生徒がいたらできないですね。
春原から朋也と渚は殆どデートしないと言う話を聞かされた美佐枝さんがふたりにデートでもしたらと勧めていた時、渚以外で朋也と付き合ってくれる子なんて他にいないでしょって、いや少なくとも3人はいる。
渚と朋也のやり取りを見て高校生時代を回想する。思いを寄せていた五十嵐を待ち伏せていたが、入院中に優しくされたお礼にひとつだけ願い事を叶えるという少年・志麻賀津紀を彼氏と勘違いされてうまくいかなかった。
賀津紀に付きまとわれることに閉口している割には、ちゃんと面倒を見てあげてしまうところが好かれる理由でしょう。
賀津紀は五十嵐から「相楽の気持ちは知っている、でも自分には彼女がいるから。それとなく伝えてくれ」と頼まれる。いつものように校門で美佐枝さんを待ち、そのことを遠まわしに告げる、
「恋でもした?」
「そうかもしれないです」
「冗談で言ったのに。でもそれで何で悲しい顔をしてるの」
「僕の大事な人で、その人には好きな男の子がいて、その男の子にはもう彼女がいることを伝えなきゃいけないから」
「なんか複雑ね。でもチャンスじゃない。慰めてあげれば上手く行くと思う」
「そんなことできるわけない。相楽さんがその立場だったらできるんですか?」
「ごめん。私の回りは前向きに考える人ばかりだから」
五十嵐が彼女と歩いている姿が目に入り自分は馬鹿だったと気づく
前向きなのは良いことなのかもしれないが、それも時と場合によりますね。美佐枝さんは賀津紀を元気付けるつもりで言ったんでしょうけど、人の心を操るような真似はしたくないと言うのと矛盾しているような気もする。
猫が寮に居ついたのはその猫が賀津紀だからなのではと予想しているんですけど本当にそうだとしたら朋也に懐いている理由はなんだろう。